春の渓流
4月下旬の渓流は私的には最も好きな季節。
芽吹きの新緑で春本番。
河畔林は淡い緑や濃い緑の饗宴、なんとも清々しい。
澄んだ水はキリッと冷たく、大小の苔むした岩石の間を下って味のある渓相を醸し出す。
さあ、フライフィッシングだ。
小さなカゲロウを模したフライ（毛鈎）を結んで複雑な流れに打ち込む。
ここぞと目星をつけた水面に流すと、飛び出すイワナ（岩魚）。
ロッドが撓り、魚体がくねる。
背中からランディングネット（掬い網）を取り出し、静かに掬う。
冬を越し、冷水で磨かれたイワナのなんと美しいことか。
この1尾に会いたくて今日も谷を目指す。
これが自分の大好きなフライフィッシングの世界。
たくさんの別嬪イワナさんと会えた充実した春の一日だった。
numa
