春のイワナ

春のイワナ


薄曇りながら新緑の山は淡い色に埋まり春本番。
河畔林の黄緑葉の上には青い晴れ間が覗き、木漏れ日のさす渓流に立つ。さあ今日はどうだろう?

先ずは、CDCフライのアペタイザー#16を結ぶ。
開始早々、足元から2尾のイワナが上流の岩下へ走った。
いるいる!
今日は釣れる予感。

落差のある流れ、大小のポイントが点在する最も好きな渓相が続く。
15分後、1尾目がきた。
8寸のきれいなイワナ。
このくらいがプロポーションバランスいいね。

幸先よし!
その数メートル先の大岩陰の隙間から飛び出した2尾目はなんとヤマメ。そこはイワナでしょ(笑)。
側面を横切る赤帯は薄っすら赤くパーマークくっきりの美形さん。

 


お次はイワナ。
サイズダウンながら順調。

気温は20℃を越え、カゲロウやユスリカのハッチが増えてきた。しかしライズはない。
それにしても黒くて小さな虫(メマトイ)がブンブン目の周りに寄ってきて、もう鬱陶しいのなんの!
手動ワイパーよろしく手で払い除けながら遡上。
ちょっと一服。
春の渓、爽快。

 

さて、アペタイザー#16を再度交換。

appetizer #16

このCDCでできたフライは優秀で、風にゆらめくCDCの細い羽脈が微妙に揺れて誘いをかけるのだろう。
フライを澄んだ瀬の開きにフワリと落とすと、2尾いたうちのデカい方がゆっくり近づいて優雅に飲み込んだ。
合わせるが決まり竿が撓る。
これはいいヤマメだ!
ネットに納めてみると手応えほどのサイズはなく、9寸ほどだが体高十分。
だが残念ながら大きな尾鰭の下が欠損していた。
水に入れると猛スピードでダッシュ、岩陰へすっ飛んで行った。

 

これまでほぼ交互にイワナとヤマメ。
5尾目はイワナ。

 

6尾目は本日最小ヤマメ。

フライをマシュマロカディス#18に交換。
7尾目の7寸イワナは全体が黄橙色、腹部の黄味は強い。
本日最も美しいニッコウイワナ。
これが釣りたくてここへ来たと言っていい一尾。

 

 

さらに美しいイワナが続いた。

 

9尾目を釣った時点で前半戦終了。
いったん川から上がった。
青空、若葉を仰ぎ見ながら川を下る。

 

下流域へ移動。
おにぎり弁当にお茶でランチ。
静かなゆったりした時間が流れる。至福の一服。

後半戦。
ロッドをScottから白戸バンブーに交換。
久しぶりの出番、調子の異なる柔らかい竹の感覚を味わいたい。
下流域はヤマメ主体かと思いきや、全部イワナだった。
10尾目。

 

そして11尾目。
得意のすっぽ抜けも今日は3つ、フライロストはゼロ。
まだ15時で明るいが十分堪能できたのでこれにて納竿とした。
たくさんの別嬪さんと会えた、充実した春の一日だった。