HARDY Wide Spool Perfect

HARDY Wide Spool Perfect

今日はHARDYのリールを買おうと決めていた。
我がFF人生、いろんなリールを見てきたし使ってきた。
近年はもっぱらラージアーバータイプを愛用(大口径でラインに巻き癖がつかないのはアドバンテージ)してきたが、少々飽きた。
なぜかヴィンテージもの、味があるモノが欲しくなった。
もう我が人生もカウントダウンに入り、あと何回釣りに行けるかもわからないが、古いハーディだけは持っておこうと。
(KOREA製のモダンハーディは持っているがイマイチそそられないw)
だから昔からよく見知ったFEATERWEIGHTを、今更なのだが買おうと。

なのに、それなのに…
池袋サンスイのガラスケースを覗くとFEATERWEIGHT(150周年記念モデル)はなく、入荷が遅れているとのこと。
仕方ない今日は諦めて帰ろうとした時、視線の先にオーラを発する美しいリールが目に飛び込んできた。
「これってPerfectですよね!」
「そうですよ2 7/8”です」
「ちょっと触っていいですか?」
「どーぞ、ドーゾ」
「ワイドスプールモデルなので渓流には最適ですよ」
「渓流ではDT3Fを使ってます」
「そりゃまさにぴったりですね!」
手に取ると強烈な存在感、オーラを感じた。
う〜む、美しい!
Perfectの現物に触れるのは実は初めて♡
英国アニックのハーディーBrosにて生産のMADE IN ENGLAND。
もう坂道を転がり落ちるようにスコンっと恋に落ちた。(笑)

なめらかなサテンタッチ(きめ細かい梨地風)で絶妙なガンメタルグレーのアルマイト仕上げに刻印の鋳込み、白いアイボリン(象牙のような感じで高級感あり)製ハンドルノブ、心地よいクリックサウンド。
ダメだ〜、ハートを、物欲の魂を射抜かれちゃった♪。
そんなこんなで7諭吉プラスアルファが飛んで行っちゃいました(^^;;
あーあ、また散財やっちゃったよ…
その夜はずっと撫でておりました。

さて、前置きがあまりにも長くなりましたが、これもリールに特別な思い入れのある男の戯れ言とご容赦願います。

翌朝、朝食を済ませコーヒーを飲みながらネットで調べたり、リールを分解して改めてじっくり眺めた。

1)1995年ハーディー社が製造中止を決定した”The Hardy Perfect Reel”の復刻モデル。
スプールプレートの刻印は”MADE BY HARDY BROS, LTD. ENGLAND”

2)初期型のNarrow Spool Perfectにはメノウ・ラインガードが装備されていたが、このモデルの製造終了に伴い、後継モデルとして投入されたのがWide Spool Perfect。ワイドスプール設計によりバッキング容量がアップし、ラインガードは廃止された。

3)ネーバル黄銅のワンピーススピンドルとその軸受け、初期型はブッシュだったものがステンレスボールベアリングになっているのもGood!

4)やっぱりあれっと思うのはスプール。丸穴が2段に空いてるサイド(スプールの顔と思っている)にハンドルがないってこと。
CFOに代表されるアウトスプールタイプのリールが主流なので、旧タイプのインスプール構造自体が古いのだがFEATERWEIGHTではちゃんとスプールサイドにハンドルがついているのにだ。さすが先輩Perfect。
この穴が空いたスプールはただのラインを収納する糸巻き駆体で、ハンドルが付いた別プレートからシャフトを介して伝達される、つまり糸巻き部とそれを回すための駆動部が分かれた構成になっているのだ。そしてハンドルを回すと両面が回ることになる。
何故こんな複雑なことになったのかは不明だが、こうした試行の積み重ねによって画期的なCFOに行き着いたのだろうと今更ながら実感した。
構造上どうしても重くなる、自重148gだ。外径は74mm。これくらいは実戦では大したことはないが。

画像右:中央のステンレスボールベアリングとドラグシステム

5)ロッドに装着する際、習慣でどうしても穴が空いた方が顔だと思い右側にセットしてしまう(笑)
(私は頑固な右ハンドル使いなので)
工場出荷時には左ハンドルなので、サンスイ店頭ですぐに右ハンドルにしておいた。
これは2個ある三角形のトングを回して左右の切り替えをするだけの簡単有名な作法。
6)最後にリールを分解・組立する際のこと。
穴が空いている方のマイナスネジ、柔らかい1円玉を使って外すこと。そして刻印側を外す際にはスプールとフレームをしっかり押さえてハンドルを回しながら行うこと。さらに再組立時のコツなど、サンスイ店員のKさんは実に丁寧に実演してくれました。
感謝です!これはちょっとわかりにくいし、説明マニュアルもないので店頭購入して本当に良かった。

さてラインを巻き込むぞ!
バッキングをたっぷり巻いて、SA SUPRA JストリームDTT DT3Fを巻き、リーダーとティペットも繋いでセッティング完了。
後は実戦投入を待つばかり。
あ〜、一気にやってスッキリした〜

<オマケ>
以下は、HARDYのオフィシャルWEBサイトからの抜粋。
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ハーディ社の製品詳細
1世紀以上続くPerfect(パーフェクト)シリーズの最新バージョンは、美しいクラシックリール。この新モデルは、ワイドスプールになって増大されたキャパシティー、実績のあるチェックシステム、そして伝統あるPerfectシリーズならではのサウンドが特長だ。
フォースター・ハーディーが1889年に初めてPerfectシリーズのすべての意匠権を認められてから、われわれの技術者、開発者、コンサルタントたちは、より完成度を高め、クラス史上最高の理想のリールを作るため、さまざまな改良を施してきた。なぜかといえば、少しでもその理想に満たないものであれば、それは「パーフェクト」ではないからだ。
・ 英国アニックのハーディーBrosにて生産
・ キャパシティーを増大するワイドスプールデザイン
・ステンレスボールベアリングと実績のあるチェックシステム
・美しい響きを持つ、ワイドレンジのチェックシステム
・ バーストックアルミとネーバル黄銅のワンピーススピンドルを使用
・ アルマイト加工による強さと耐久性
・アイボリン製ハンドル
・なめらかなサテンタッチのダークガンメタルグレーのアルマイト仕上げ
・右巻き・左巻きの変更が容易
・ハーディーBros製のソフトレザーにシープスキンの裏地を施したリールポーチ入り

製品名:Wide spool perfect 2 7/8″
自重 / 直径:148g / 74mm
糸巻量フライライン+バッキングライン(m):DT3 + 55 WF3 + 75 WF4 + 60
メーカー希望本体価格(税抜):¥70,000
HARDY Alnwick England

<オマケ2>
以前、拙ブログに標記リールのことを載せましたところ、読者様から分解手順に関するご質問をいただきましたので、別ページにまとめてみました。こちら↓
HARDY Wide Spool Perfectリールの分解・お手入れ方法