2021シーズン渓流の〆は9寸ヤマメ

2021シーズン渓流の〆は9寸ヤマメ

このところずっと天候不順で、あの真夏の猛暑からなし崩し的に秋突入ですが、やはり気だるくシャキッとしませんね。
天気予報では大気の状態が不安定でところによりにわか雨と…

車のフロントガラスには細かい霧雨の粒が増えていたが、いくつも山を越えているうちに薄日がさしてきた。

川を見渡すとガンガン増水し、きつくは無いが濁りも。
う〜ん、ギリギリ釣りはできそうだが渡渉はとても無理…
しかも川幅いっぱいに膨らんだ流れで遡上も危険で難しそう…
ってことは、川岸に降りたところの範囲内でピンポイントに探るしかないってこと。

入渓点でしばし思案にくれる。
他の支流に移動すべきか、我慢してやってみるか。
せっかく来たんだしやるしかないでしょう!

増水時にはこれだと決めてあるピーターロスの小さめ#14を結び、ラインを引き出す。
ガンガン瀬に乗せて伸ばし、スイングさせて右岸下流側を探るが反応無し。
それでは次の本命ポイントをいってみよう。

沢筋からの流れが合流し石に当たって水しぶきが飛び、その辺りの石表面はどれも苔で覆われていた。
良いポイントだと思う。
岸際の水面に頭を出している丸い苔石と奥の黒い石でできたヨレのど真ん中にフライを落とす。
サカナが居着いているとしたらここしか無いって祈るような気分で…

石周りを縫うようにゆっくりラインを手繰る。1秒、2秒、3秒…
その瞬間数センチラインが動いた。
合わせるとズシンと重い手応え、グイグイッと引き絞り走り始めた。
今日のロッドはScott G2 #3にティペットは6X、尺上でもラインブレイクはないだろう…
増水の流芯に突っ込んだが、ロッドの弾力で持ち堪えている。その時、魚体を水面上に躍らせて反転ジャンプ!
いいヤマメだ〜、切れるなよ!
ヤマメはその後岸際に走り、背鰭を見せたのを最後に静かになり無事にカーブネットに収まった。
その重量感に思わず尺ヤマメか!?と期待したが、惜しくも9寸。
体高があってムチムチの美バディな秋ヤマメだった。
以上、フライ投入からランディングまで、スローモーション映像のように蘇る、ドキドキの釣りだった。
開始から15分くらいの出来事だが、もうこれで帰っても良いと思えるほど心が震えた。
ピンポイントを狙って釣る、これが渓流FFの醍醐味、至福のひととき。
嬉しいので数カット載せます。

 

川岸に咲く赤紫の花がとっても鮮やかなので、これも一緒に撮ってみた。

ところでこの赤紫の花名はなんだろう?
ググりまくって調べると釣船草(ツリフネソウ)だと判明した。
初めて目にしたような、以前にも見たような…。
それにしても釣船草とはなんとも穿った命名!奇遇です。
美しい魚体をいっぱい撮影させていただき、長いこと付き合わせてごめんなさい。

撮影終えて、まだどっくんどっくんしながらの一服、超美味い。
さて、あと数メートルだけ探ってみるか…

リスタートで先ほどの上流にフライを落とすと、今度は一転してチビヤマメが。
笑ってしまった、柳の下はいないよね!また来年会おうね〜

 

川から上がり上流へ移動。
見下ろすとガンガンの水量、こちらも渡渉は危険だが右岸側は遡上できそうだ。
入渓時に比べて幾分澄んで、ドライでいけそうなのでロイヤルコーチマン・パラシュート#16を取り出す。

今日のもう一つのミッション。
先日Amazonでポチった噂のフッ素グリース『BGR-001』を塗り込む。白いクリームを指に取り、ハックルやポスト、ボディに入念に揉み込むように。

さてと、フライを試しに流れに落とす…
おおお、すごい浮力!
流芯の波立っている筋もどんぶらこと沈まず、そのまま緩流帯にくるとしっかり浮いている。
面白くて、しばらくあちらこちら流してみても浮力が落ちない、これは素晴らしい。

この不沈艦と化したロイヤルコーチマンにパクッと出てくれたのが8寸ヤマメ。

やや細身のヤマメだったがよく飛びついてくれた。そしてしっかり浮いてくれた「フッ素グリース」に大満足。
このグリース使えますね〜!
オイカワ用のミッジでも試してみたい。
まだ時間はたっぷりだがこれにて潔く納竿とした。

車のエンジンをかけて、見上げると「うろこ雲」。
いい初秋の一日、来て良かった!

 

<オマケ>
フッ素グリース『BGR-001』を使いやすく。
購入してみた5gの丸い容器はいかにも心許ない。
川の中でフライ交換した後、キャップを開けて擦り込んでいるとポロリしそうで心配。
容器を替えるのも手間だし、何か持ちやすいアイデアは…
百均の結束バンドがあったので、両面テープを巻いた上をこれで締め付けてみた。
さすがの結束具合、そしてバンドの隙間にストラップを付ければ持ちやすくてイイ感じ。
ベストやバッグに納めてサッと取り出せます。