霧雨の渓で春が来た

霧雨の渓で春が来た

遂にwindknotさんカチーフさんと御一緒に渓に立てる日が訪れた。実に2年半も温めてきた思いが叶いました。
前日夜は遠足前の子どものようにワクワクで、寝坊しないよう気持ちが高ぶり2時間おきに目が醒めるほど。
5時半ちょい前に集合場所に着くとお二人とも出撃準備完了でお待ちかねのご様子。windknotさんのご厚意で愛車に同乗させていただき、いざ出発。
目的地はwindknotさんのホームグラウンドである某渓流。
山間に入る頃からフロントガラスには微細な雨粒が貼り着き、山は霧が垂れ込めています。
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天気予報では、これ以上の雨にはならず午後からは薄曇りになるはず。気温13℃で軽い雨しのぎジャケットで入渓。
先行者はとりあえず居そうにない気配。
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3人での渓流行は実は初めて。
カチーフさんは入渓点からスタートし、windknotさんと私は下流に降って竿を出す。
虫は殆んど見えず、せいぜいユスリカか小型の虫が飛んでいる程度。当然ライズのラの字も無し。フライは#20のCDCソラックスダン、最も信頼しているフライを結んだ。サイズだけは念のためミッジに落としておいた。

ゲロゲロッ!こんにちは。
ゲロゲロッ!こんにちは。

 

開始早々に開きからバシャッとヤマメがご挨拶、しかし乗らず。
初バイトを逃すとその日は不調のジンクスが頭をよぎるが気持ちを切り替える。
10分後には2尾目が出るもまたすっぽ抜け…
ヤバいなぁと思いつつ遡上し、カチーフさんに追いつき、交互に釣り上がる。windknotさんはガイドに徹しますよのお言葉通り、最後尾から見守っています。

撮影:windknotさん
撮影:windknotさん

ありがとうございます、これは何としても早く一尾釣らねば!

お二人の視線を背中に感じつつ、落ち込みから続く瀬脇にフライを流す。少しずつレーンを替えて数投後、バシャッ。
勢いよくヤマメが飛び出し魚体をくねらせて反転。乗りました!

撮影:windknotさん
撮影:windknotさん

今シーズン初のヤマメはおチビさんですがパーマークくっきりひれピンの美形でした。
やりました、私にもやっと春が来ましたよ。
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この1尾で皆さんのスイッチが入り、先ずカチーフさんが一尾目を。
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直後にはwindknoさんにも来ました。
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なんと3人が短時間に連発。一息付けました。
これでヤマメの活性も上がってきたかと思ったら意外にもそう単純には行かず、後が続かない…。
石裏を見ると、いました。
カワゲラにトビケラ、ガガンボです。もっとライズがあってもよさそうなものですが?
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渓相は悪くない、水量も程よいし水温は10℃。
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先ほどカチーフさんが釣ったヤマメの胃の内容物を見ると、極小のマダラカゲロウのニンフやシャックが少々。フックサイズにして#28位です。
3人ともにミッジでの叩き上がりですが、すっぽ抜けやらバラしも多い。我慢の釣りが続きます。
昼前にはまたしてもオートリリースw。お二人も苦戦しつつ、windknotさんはさすがの追加釣果。
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12時を回り、3人で腰を下ろしてランチタイム。
これまでの状況からして、ちょっと厳しかなの予想、この渓の奥は深いが思い切って隣の支流に移動することにしました。

車で移動する最中、カチーフさんから別水系まで足を延ばすご提案をいただき、一気に決定。
これが大正解。思わぬ出会いが待っているとは、この時点で想像できませんでした。

初めての川は駐車とエントリーポイントを見つけるのに一苦労なのですが、この日はあっさり見つかりました。(毎度カチーフさんの状況判断力と魚を探す嗅覚には驚かされます!)
さらには釣券販売所が入渓点のすぐ横という絶好のロケーション。
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さらに更に、この入渓直後からカチーフさんがいきなり2連発、その上ではwindknotさんもヒットと揃い踏みをやってくれちゃいました。この時私は、下流から入り快釣を目撃しておりませんw。

遡行して追いつくや、お二人が手で丸く輪を作り、釣れたよ!サイン。
さすが持ってるお二人です。もう脱帽。(^o^)/

霧雨はおさまり、少し明るさを増した空に大型カゲロウが飛び始め、小さな虫もハッチして川に生命感が満ちてきました。

フライを#16アダムスパラシュートに結び替え、再び3人で入れ替わりつつ釣り上がります。
ほどなくプールの岩盤際にライズを発見したカチーフさんが見事なキャストでこの日の最良型ヤマメ23cmをヒット!
このくだりはカチーフさんのブログに詳しく載っているので是非ご覧ください。
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持ってる人カチーフさんの面目躍如の瞬間でした。

 

 

撮影:windknotさん
撮影:windknotさん
この1尾で今日はもういいやとの言葉を残して、後はwindknotさんと私に先行を譲ってくれました。

そしてさすが!の人windknotさんも良型ヤマメを追加。
一人出遅れの私は、またも掛けたヤマメを取り込み中にオートリリースしており、ジリジリと焦っておりました。集中力が急降下しているようです。

3時を回り、この辺でもういいよと言ったら、カチーフさん「最後にその先をやってから終わりにしましょう。ガンバって!」と言ってくださり、ではとラストステージに立つことを決意。

気持ちが折れそうになる寸前、瀬脇からヤマメがバシャッ!
午前中の一発目とほぼ同じ出方でした。これを逃したら帰れないと思い、テンションを維持しつつ慎重に寄せてランディング。

イェー!

 

撮影:windknotさん(実はこのランディングネットの入魂も完了)
撮影:windknotさん 実はこのランディングネット入魂も完了

うれしいので別アングルからもう一枚。
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20cmに届かないヤマメでしたが格別の1尾となりました。
あきらめないでほんと良かった、あのカチーフさんの一言がなかったら釣れていない一尾でした。

それにしても、川名は知ってはいたが初めての渓、予想を超える気持ち良いフライ向きの渓相と魚の濃さ。
季節が進むとここはきっとパラダイスでしょう!
川から上がった坂道の脇、はぁはぁ息が切れ一息入れる目に、優しく紫の花が映りました。

windknotさんのブログによれば「ツルニチニチソウ」とのこと。
windknotさんによれば「ツルニチニチソウ」とのこと。

帰路はコンビニに寄りつつ、快適走行で夕暮れ前には帰着。
windknotさん、往復とも運転お疲れ様でした、そして愛する川で釣らせていただき、ありがとうございました。
3人での釣行、三者三様のお楽しみで全員満足の釣行に加え、新たな川を開拓できた成果も大きかったと思います。
シーズンは始まったばかり。
次はどんなドラマが待っているのか?ウキウキ、ワクワクの春はこれからが本番です。

帰宅後はラガービールで祝杯。
爆睡が待っていました。