納竿寸前の一発(アンクルサムに寄って)

納竿寸前の一発(アンクルサムに寄って)

初秋の夕暮れは早い。
川に着いたのが16時、タイムリミットまであと少し、焦る気持ちを引きずって川に向かった。
どこにでもある山間の里川で両岸はボサ、橋の横からヒョイと降りた。
虫の姿は見られない。
複雑な流れになってる橋の下、石裏や小さな落ち込み周りをパラシュートで叩きながら釣り上がってみる。
時おりチビヤマメの反応があるものの掛からなかった。
それでもちょっとしたプールの開きから元気いいヤマメが顔を出すこともありますが乗りません。
日は沈み光量が減少するなか、焦ります(汗;)

午前中はフライショップ「アンクルサム」に寄り店主さんと思わず話し込んでしまい、気がついたら13時半を回っていた。すみませんがと、話の途中でお断りして川へ行かなくっちゃと話したら、店主さんも
「ごめんごめん、今日は釣りに行く予定でしたよね。」
と言って川の情報を教えて下さり、手書きの地図も書いてくださった。
お店を辞して大急ぎで川に向かった。
新規開拓の川、頂いた地図を頼りに入渓してみたが、このところの雨で増水しており遡行がつらい。チビヤマメが挨拶に出てくれたが、さっさと見切りさらに上流域へ。
谷は深く簡単には降りられそうもない、入渓点を探すが容易に見つからず、今回は断念。そんなことがあって2本目の里川にイブニングを賭けてみたのです。

う〜ん、もう今日はダメかな〜、ボだなと思い始めた時、20m前方のプールが目に入ってきた。
幅3m程の流れが中央の大石にぶつかり、左右に分かれて広がり川幅7mくらいのプールを作っている。
これは臭い、絶対にいるな!

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フライを#17 プードルに結び替え右筋の開きから様子を見た。2投目にピシャッとヤマメが顔を出してくれた。
いいヤマメだっ、あっ乗らず…
くっそー残念。
その後数回流すももうアウト。
次に左筋を数回やってみるが出ない。

もうここが最後と気を取り直してドライスプレーをシュッシュ。
左筋の緩い流れに乗せた…、
出ない、もう一度!
ピシャッと飛沫が上がり、瞬間合わせると今度は掛かった。やった!
流心を上下した後、岸際の石の底に潜り動かなくなった。
8Xのティペットがピンと張って、Shiratoバンブーロッド7’2″がギュンとしなっている。
焦らない、あせらない。
数秒後、石下から再び流心に出て来たヤマメがゆっくり手元に寄ってきて無事ランディング。やった!


(光量不足のため画像補正しています)
尾ビレ下に朱色が入って美しいヤマメ21cm。
サイズは驚くようなことありませんが、この川なら充分。
しつこく叩いたのがよかった、自分としては会心の一発です。

撮影して川から上がり、店主さんに電話を入れてご報告。
辺りはもうすっかり夕闇が迫り、涼しい風が吹き渡っていました。
ハンドルを握る手も軽やかに帰路につき、風呂上がりの麦酒が旨かったことは言うまでもありません。
(^-^)

納竿寸前の一発、終わりよければすべてよし。