2024釣りフェスティバル
釣り業界の春はこのフェスティバルから始まる。
前職のR社時代からほぼずっとなので、もうかれこれ40~数回目かな。
先ずは、開発に関わっている黒鯛工房さんのブースへ。


ヘチ釣り用のロッド、リールの新製品群を確認。
それから会場内をつぶさに見て回った。
昔は大中小の企業ブースでごった返し、釣り好きなオヤジがわんさかいて熱気があり新製品ラッシュで溢れかえっていた。
磯釣り、船釣り、投釣り、鮎、ヘラ、渓流、ルアー、フライと各釣りジャンルとも賑わっていた。
今はといえば、ルアー釣りが会場全体を席巻している。時代の流れとともにエサを付けての釣りが後退しているのだ。淡水においては河川の荒廃も一因であるが、これは釣り文化から言えば貴重な味が削り落とされているような感じがする。何かが虚しい。
ところで、久しぶりにフライエリア復活。我が好むフライ市場も年々縮小と言われて久しいが、数社のブースを訪れるだけで元気が出る。
出品数は少なくてもやはり楽しめた。

さて話は変わるが、往復2時間半の電車内は絶好の読書タイム。
森鴎外の『山椒大夫』を持参した。
安寿と厨子王のこの物語が無性に好きなので。
安寿恋しや、ほうやれほ。
厨子王恋しや、ほうやれほ。
厨子王は、立派に成人して生き別れれた母を探し求めて佐渡を彷徨い、偶然にもこの唄を歌いながら藁を打つ盲いた老婆を目撃する。
そして、最後に厨子王と母が抱き合うシーン、もちろんストーリーは知っているものの、新宿あたりを通過する車内で思わず嗚咽が込み上げてきた、泣きそうになっちゃった。
森鴎外の文体がいい。
子どもの頃には絵本でも見たが、映像がくっきり浮かんできた。
きっと映画かテレビで観た白黒のシーンがよみがえったと思われる。
やはり時代小説は中途半端な現代語訳であってはならない。それが味わいであって文化というものだろう。
