ステンドグラス



私は怒っている。
子供が戦争で命を落とすという現実への怒り。一人の母として、想像するに耐えない。
子供の未来を奪う戦争への怒り。それが繰り返されていることへの苛立ち。

この作品で般若が咥える布は、 日本の伝統模様を参考にしている。
これらの模様には、子の成長を願う意味がある。戦争は、その鮮やかな色彩を燃やしてしまう。

能面「般若」を自分の怒りに重ねた。日本の伝統芸能「能」で演者は、 この面をかけ、その役に扮する。面にあいた小さな穴から世界を見る。
私はガラスの能面に開けた穴から、自分の故郷と現実世界を重ねる。戦争で子を失った人の苦しみは、分からないかもしれない。
だが私は想像し続ける。自分の作品を通して。



制作者:水永阿里紗
作品名:怒り
制作年:2023年
素材:アンティークガラスにエッチング、エアブラシ
サイズ:W30㎝×H105㎝

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水永阿里沙
1984年広島県福山市生まれ。
東京芸術大学 大学院美術研究科 博士後期課程 美術専攻 油画(壁画)研究領域修了

<受賞歴>
2007年 安宅賞
2011年 第6回佐野ルネッサンス鋳金展 大賞


プロフィール


水永阿里沙の作品